2001年10月3日号(NO.134)
秋の乗馬
もう15年も前の事です、大学の馬術部の先輩、後輩たちが一同に集まり、安比高原馬術クラブで遠乗り会がありました。
広大な牧草地で馬術部の先輩、後輩の交換会をやろうとの計画で、秋空のすばらしい晴天の一日でした。
後輩が一頭のサラブレットを連れ出してやって来て、いざ乗馬となったその時、左足が鐙にかけられず、自力で飛び乗ろうとしても乗馬できなかったのです。「先輩、手を貸します」と若い女性に右足を持ち上げてもらい、ようやく乗馬、十数年乗馬をしていなかったとはいえ、日頃の運動不足と肥満による体力のなさが原因で、何とも恥ずかしい屈辱の一日でした。
以来、永年親しんできた乗馬をぷっつりとやめ、乗馬服も長靴も書斎の飾りとなっていました。
昨年春に、MRのW君、S君が学生時代に乗馬歴があるとの事で、乗馬に誘われました。15年前の失態がよみがえり、多忙を理由に、そのうちにと逃げていましたが、「インターネットで調べたら十和田湖に乗馬クラブがあります、八甲田の野外騎乗が出来るそうですのでとりあえず予約しておきました」の一言に内諾し、ほこりのかぶった乗馬服を取り出し着けてみました。
愛犬との毎日の散歩、月2回のへたなゴルフ行が功を奏したのでしょうか、なんと、学生時代の乗馬ズボンが腹周りは少々きつめでしたが、なんとかはけたのです。
予約の朝8時、奥入瀬渓流グランドホテル前には、白馬4頭が馬運車に乗り、私たちの到着を待っていました。
2台の車で蔦温泉を経て、八甲田山麓へ向かい、八甲田大岳、高田大岳、黒森の八甲田連峰を一望できる仙人平へ。広々とした景観、緑の草原に白馬が冴えました。すっかりと気分も高揚し何とか自力で乗馬も出来ました。インストラクターの指示に従って、広大な牧草地に向かい、鐙の足下まで伸びた牧草をかき分け、風を切って駆け抜けました。野鳥のさえずりが快く迎えてくれた林の中をくぐり抜け、小川を越え、坂道を上り下り、誰とも出会わず1時間余り、十数年ぶりの乗馬で少々緊張気味でしたが、野外騎乗はやはり馬術の醍醐味、心身爽快な気分で、まだまだやれると大きな自信も得ました。
紅葉の10月にもう一度この八甲田山麓を駆けてみたい、今から紅葉の山々が目に浮かびます。 (O.K)